空き家売主ヒアリング報告

実施日: 令和7年6月19日(木)・21日(土)
このたび、実際に空き家を売却された方々にヒアリングを実施し、売却に至る経緯や課題について貴重なお話を伺いました。
📋 売却事例の概要
【売主A】南六呂師地区(農地付き物件)
物件状況 (相談時)
- 空き家期間:4年
- 売却価格:売出し350万円/売却350万円
- 管理状況:敷地内田の耕作により定期的な通風・通水実施、電気・保険完備、雪囲い、屋根雪下ろし
売却理由
- 維持管理の負担軽減
- 次世代への負担回避
相談窓口
- 空き家相談会
売却時の気がかり
- 買主の人柄
- 買主と地域の関係性
【売主B】井ノ口地区(農地付き物件)
物件状況(相談時)
- 空き家期間:20年以上(居住歴なし)
- 売却価格:売出し200万円/売却200万円
- 管理状況:草刈り程度、電気なし、保険未加入、倉庫は使用
売却理由
- 相続による取得
- 管理負担の軽減
相談窓口
- 大野市主催WEB相談(知人紹介)
売却時の気がかり
- 買主の人柄
- 売却物件以外にも土地・田を所有
【事例C】南六呂師地区(農地付き物件)
物件状況
- 空き家期間:3年(居住歴なし)
- 売却価格:売出し650万円/売却600万円
- 管理状況:2ヶ月に1度の通風・通水、電気・保険完備、屋根雪下ろしは近所に委託
売却理由
- 相続による取得
- 母の施設入所
- 次世代への負担回避
相談窓口
- 市役所窓口(地域文化課)
売却時の気がかり
- 縁戚関係に報告しづらい
- 実家(本籍)の消失
🔍 ヒアリング結果の考察
今回ヒアリングを実施した売主3名は、所有者として空き家の維持管理に手間と時間、費用の負担を受け入れて取り組まれた方々です。
しかし、このように積極的に空き家管理に取り組む所有者は、決して多くはないのが現実です。
この現状を踏まえ、多くの空き家所有者が直面している課題を整理しました。
💡 ヒアリングから見えてきた課題
経済的負担
- 固定資産税
- 電気代
- 地区への各種支払い
- 火災保険料
精神的負担
- 地域の寄り合いへの参加
- 近所付き合いの維持
- 草刈り作業
- 雪管理(雪囲い・雪下ろし)
特徴的な傾向
- 次世代への配慮:子や孫に負担をかけたくないという強い思い
- 地域との関係性:居住経験がない物件では地域とのつながりが希薄
- 世間体への配慮:大野市の地域性として、空き家維持は世間体による部分も大きい
🔍 今後の取り組みに向けて
今回のヒアリング結果は、空き家問題解決に向けた貴重な基礎資料となります。
所有者の皆様が抱える多様な課題を理解し、より効果的な支援体制の構築を進めてまいります。