視察研修報告:岐阜県高山市・飛騨市における空き家対策と移住支援
令和7年11月28日から29日の2日間にわたり、当会の資質向上および大野市への提言を目的とした視察研修を実施いたしました 。今回の研修では、空き家対策と移住支援の先進地である高山市および飛騨市を訪問しました 。
研修概要
- 日時:令和7年11月28日(金)〜29日(土)
- 場所:高山市役所、飛騨市役所、飛騨市移住支援センター、高山市「村半」「大政」ほか
- 参加者:当会メンバー12名
1日目:飛騨市における空き家利活用と移住支援

飛騨市では、空き家情報サイト「住むとこネット」の成約率が約82%に達しており、実効性の高い施策を確認しました 。
- 賃貸化への手厚い支援:空き家を賃貸物件として再生する場合、最大250万円のリフォーム補助(工事費の1/2以内)が行われており、物件の流動化を促進しています 。
- 家財処分補助:物件登録の障壁となる荷物の片付けに対し、10万円を上限とする補助制度が整備されています 。
- 移住コーディネーターの役割:NPO法人「まちづくりスポット」が委託を受け、移住希望者と地域をつなぐきめ細かなマッチングを行っている体制を学びました 。
2日目:高山市における歴史的建造物の保存と活用



2日目は、伝統的な町家を再生し、地域の交流拠点として活用している現場を視察しました。
- 飛騨高山にぎわい交流館「大政(だいまさ)」:
- 江戸時代から続く旧家を市が整備し、市民の交流や観光客の休憩拠点として開放されています 。
- 歴史的価値を保存しつつ、現代のニーズに合わせたバリアフリー化や利便性の向上を図った空き家活用のモデルケースを確認しました 。
- 高山市若者等活動事務所「村半(むらはん)」:
- 明治・大正期の町家を、若者の自由な活動や学習、交流の場として再生した拠点です 。
- 柱の色を「元々の部分は黒」「新しい部分は明るい色」と分けることで、歴史を分かりやすく伝える改修技術を学びました 。
今後の展望
今回の視察では、飛騨市の「中間支援組織(NPO)を活用した柔軟な窓口対応」や、高山市の「歴史的資産を活かした拠点整備」など、大野市においても参考にすべき点が多く見受けられました 。 当会としましては、今回得た知見を精査し、大野市における空き家の流動化および移住定住の促進に向けた具体的な提言に繋げてまいります 。
